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25
1月

『Helvetica』

映画に登場したデザイナーの手による、Mac OS Xに搭載されているフォント。デザイナー名のところはもちろんHelvetica。

映画に登場したデザイナーの手による、Mac OS Xに搭載されているフォント。デザイナー名のところはもちろんHelvetica。

観たいと思っていた『Helvetica』(「Helvetica」という書体を巡るドキュメンタリー映画)を、会社のKさんがDVD買ったというので貸してもらって観ました。

いやー面白かったです。よく映画にしたなあと思いますけれど。フォントに興味ない人には、専門家という名のオタクたちがしゃべってるだけに見えるんじゃないでしょうか?

しかし、逆にグラフィックデザインに関わる人には必見です。借りて観たものの、これは僕も買います。Kさんには「絶対特典も見てください」と念を押されたのですが、ほんとに、映画には含まれていないインタビューで構成された特典映像95分も、本編に勝るとも劣らない内容です。なので映画館で見たという人も、特典映像のために、借りたり買ったりする価値十分にありです。

基本的に裏方であり「透明な存在」であるフォントデザイナーが動いてしゃべるとこ見れるなんて、なかなかありません。
Macのシステムにも入っているフォントのデザイナーも幾人かでてきます。ソシオメディアのドキュメントで使っているTahomaフォント産みの親のマシュー・カーターさん。それから、ぼくが大ファンであるヘルマン・ツァップさんを映像で見、その声を聞くことができたのは何ともしあわせです。

登場するのはフォントデザイナーばかりでなく、グラフィックデザイナーもたくさんでてきます。
たとえばニューヨークの地下鉄路線図を1972年に作ったマッシモ・ヴィネリさん。彼が、その路線図についての改良案を語るところがあり、なかなか興味深いです。で、あとでサイト調べたら昨年、その改良版を実際に作ってるんですね。men’s vogueに付録でついたらしい。古い方とくらべて見てみたい。一部はご本人のサイトで見ることができます。

ジョブズの話も少しでてきます。彼はMacを作っていたとき、Helveticaを使わせてほしい、とライノタイプ社に依頼に行ったとのこと。
フォントの価値、デザインの価値をきちんと知り、考え、それをちゃんとシステムに載っけようと、始めから考えていた。(でも都市の名前のフォントにしたのはなんでだったっけ? もいっぺんそのあたり確認しなきゃ……)
それに比べて……「マイクロソフトは悪党だ!」(エリック・シュピーカーマンが特典映像の中でそう言ってる)。
なんでHelveticaを使わず、それを真似してArielをわざわざ作るのか。世界一の企業が、買えないわけがあるまい、と。

そのほかにもいろんな話題が込められていて、これをきっかけにぼくも調べたり考えたりしたいこと満載でした。
たとえば手で描くこととコンピューターで描くことの違い。形を学ぶときへの影響。
目的にあわせて書体を変えること(結果として様々な書体を使うこと)と、ごく限られた書体を使ってあらゆるデザインを産み出すことの違い。

なかでもこの映画の中で、ぼくが強く共感をもった言葉(このままの台詞ではありませんが)。

・できる限りシンプルにすること
・存在が気がつかれないような、透明なデザインであること