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Recent Articles

30
1月

Keynote:Mac版とiOS版の互換性(Keynote for iOSで使えるエフェクト)

情報を更新しました。新しいエントリーのほうをご覧ください。

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25
1月

Twitterからの自動転載はやっぱり止め。

Twitterへの投稿を一週間分まとめてこちらに転載することをやってみたものの、どうもあまり意味がないので止めます。

投稿を補足したり、画像を加えたりしたらどうかと試してみたけれど、つぶやきは細切れすぎてまとまりをつくりにくい。あらためてちゃんとエントリーしたほうがよいですね。

ちなみに、ぼくのTwitter、Facebook、Google+、Flickrにはページの一番下のアイコンから行けるのだけれど、分かりづらすぎですね。

今のこのデザインは、Responsive(ウインドウの幅・画面の大きさにあわせてダイナミックにレイアウトが変わる)なのと、本文の左右に何もないところが気に入っているのだけれど、でも自分で手をいれないとだめかなあ。めんどうくさい……。

3
1月

あけましておめでとうございます

sea dragon couple for a Happy New Year あけましておめでとうございます。

 

写真は、本年の年賀状ですが、我が家の水槽のタツノオトシゴ夫婦です。

奥にいるのがお父さん。
この写真を撮ったあと、彼のお腹から10匹ほどの子どもが生まれました。

ぼくも初めて知ったのですが、タツノオトシゴはオスのお腹の中にメスが卵を産みつけ、オスの中で孵化、稚魚となって、オスが「出産」するのですね。

 

広大な海の中の生物の多様な姿は、ミクロでみてもマクロで見ても驚くことばかりですが、ほんのわずかな水槽という空間の中でも、そこに生きる生き物の姿や生態は毎日見ていても飽きることがありません。ちっぽけな魚の一匹の動きをじっと見ているだけでも、この生命の惑星にいることの驚異を感ぜずにはおれません。

 

37億年のいのちの歴史の末端に存在することができている幸福を抱く一方で、いまここで進行中の愚行がどのような未来につながっていくのか、進化というシステムからはみ出したわが種の行く末への不安もまた抱かざるを得ない、年のはじめです。

7
10月

Thank you so much, Mr. Jobs.

ジョブズは、歳を重ねるごとに、より大きなことを成し遂げてきた。iPod-iTunes-iTunes music storeで音楽のエコシステムを作り上げたとき、すごい、余人を以って代え難いと思ったが、ほんとうに、まさにinsanely greatだと心から思ったのは、iPhoneの発表を見たときだった。

アップルが、ジョブズが、iPhoneでなしとげてくれたのは、すばらしくデザインされた製品を世に出すこと、だけでなく、そのようなデザインアプローチが可能であること、そのようなアプローチでなければ成功できなかったことを、世に知らしめてくれたことだ。

なぜ日本の企業にはiPhoneを作れなかったのか、ということをいう人がいるが、作れないのは日本の企業だけではない。世界中どこを探しても、iPhoneを、あれほど徹底的にデザインされたケータイを作り得るのは、アップル以外なかった。

ユーザーのアンケートからでは作り得ない。ユーザーを深く理解した者が、論理と経験を武器に徹底的にデザインすることでしか、iPhoneは作れない。

そして、その徹底したデザインの力を信じ切れる者にしか、製品化して、世に出すことはできない。

徹底したマーケティングではなく、徹底したデザイン。

そうやって生み出した製品とサービスを、成功に導いてくれたことが、彼の一番の功績だと思う。

おかげでぼくも、自分が信じることを、自信を持ってまっすぐに進めていくことができる。

ありがとう、スティーブ・ジョブズ。

# いまごろは、ラスキン翁にiPhoneを自慢してるところかなあ。

5
12月

錆びた歯車は天空のプログラム

ここ数日、Macの画面やiPhoneの画面を見て、ドキリとすることが幾度となくあった。
ドキリとしながら理由がわからず、ん?ぼくは今何を見たんだ?と思って画面をよく眺めてみたら、そこに表示されたアイコンに、歯車が描かれていた。
わが社のウェブサイトに載っている、上野さんの作ったIxEditのアイコン。Mac OSやiPhoneの画面の片隅にある環境設定のアイコン。
それが眼の片隅を通過するたびに、ドキリとしている。

歯車。
アンティキテラのマシンのせいである。

アンティキテラの機械の話は、数年前にたぶんネットのニュースか何かで眼にしていた記憶がある。しかしあまり内容を追うことなく忘れていた。
この本を読み終えて、2000年以上前に作られた機械への100年に渡る探求と、そこからわかった事実を目の当たりにして、少し興奮気味。

紀元前の人々が、楕円軌道によるずれを含む太陽や月の正確な動き、地上からは実に複雑にみえる惑星の動き、それになんと日食・月食の時期をもきちんと予測できていたとは。
天動説がとられ、惑星や衛星の運動のしくみがわかっていなかったにもかかわらず、実に正確に予測していたのだ。何世紀にもわたる緻密な観察のみによって、天体の様々な周期を見いだしていたのだ。

そして、そこで得られた複雑な複数の天体の動きの規則を、歯車の組み合わせだけで算出できるようにした人たちが、いたのだ。

さらに、その知識と技術が一度失われ、再び歯車で時を刻めるようになるまでに、1000年の時がたっていた。
そのような機械が紀元前に存在したことすら人類は忘れ、何世紀もすごしていた。
100年前、たったひとつの機械が、海の底から発見されるまでは。

クストーが今のスクーバダイビングのしくみを発明する以前、19世紀の潜水の話からこの本ははじまる。
去年のぼくにはわからなかった海の底のリアリティと危険が、今ならわかる。

海綿の棲む海底に眠っていた機械。星々が駆ける天空から数世紀をかけて得た膨大な知識。緻密な歯車の組み合わせの数学。2000年前の思想。失われた時間。錆と石灰に埋もれた秘密のプログラムを解読しようと競う学者たち。

この本の中に閉じ込められているさまざまな世界、時間、意識……それが個々に、あるいは相互にからみあって、ぼくの脳の中をぐるぐるとかけめぐっている。

宇宙のなかのちっぽけな星に生きている人間という存在を、実にいろいろな角度で描き出してくれる話であり、その興味深さを巧妙に組み立てて読ませてくれる本である。

ああなんて面白い。