Skip to content

2009 / 4 / 17

逆転無罪判決

by ayumu

最高裁が痴漢事件で逆転無罪判決を出しました。

こうした事件では、でもやったんじゃないの?みたいな発言がよく聞かれますが、問題はやっているかやっていないかではない、ということを銘記しなければなりません。

繊維鑑定などの証拠が何もないにもかかわらず、被害者の証言のみで、一審・二審は有罪になっていたのです。
「被害者がウソをつくはずがない」といった非合理的な解釈によって、証言だけが有罪の根拠となってしまうことに、またそのような判決を出す裁判所があるということに、戦慄しなければなりません。
捜査、起訴、裁判の正当性や公正性の問題であり、国や社会のあり方の根幹を問う課題として注目しなければなりません。

今回は幸いにして無罪判決が出ましたが、痴漢に限らず、やっていないのだから、やったという証拠などあるわけなく、有罪になるはずがない、と思い司法を信じながら裏切られ、どれほど多くの人が刑に服さなければならない絶望を味わってきた(そして今も味わっている)ことでしょうか。

もうひとつ、このニュースで気になったのは、いくつかの報道機関が、無罪判決を受けた人を匿名にしていたことです。
無罪だから匿名にしたのでしょうか。
今回匿名にしている報道機関が、有罪判決のときにも匿名にしていたのかどうか、検索してみたけれど過去記事はことごとくウェブでは見ることができないので、まだ確認できていません。
しかしもし、有罪は顕名、無罪は匿名というルールで記載しているとすると、このような逆転無罪判決の際に、傷つけられた名誉の回復ができないことになります。
ずっと通して匿名にしていたというのなら、いいのですが……でも多くの報道機関は、そうしてはいないように思います。

Read more from 政治・社会

コメントを残す